2023.5.10 NHKグローアップ現代にて放送
上町の景観を考える会とは
7月15日、新聞等で鹿児島県民教育文化研究所が11月にも解体されることが掲載されました。
そこで上町の景観を考える会は、大龍遺跡群をはじめ数多くの歴史的自資源が集結し、これに関連した石瓶や石垣が残されている上町の景観、鹿児島県民教育文化研究所という貴重な財産を次世代へと残していくため、会を立ち上げました。
鹿児島県民教育文化研究所
未来に残したい文化的価値

鹿児島市の旧城下町で「上町 (かんまち)」と俗称される景観重点地区で、(旧富島津家上屋敷跡) に立地する。 鹿児島市で雑貨卸商を営んだ豪商、藤武助氏が昭和14年に完成させた自邸である。
1945年(昭和20年)の鹿児島大空襲での戦火を免れた昭和22-23 年頃から旅館割烹「春日園」として近隣に親しまれ、昭和 35 年に県教育会館維持財団が購入後、「教育会館春日寮」として離島教職員の子弟の学生寮に供され、現在は「県民教育文化研究所」として運営されている。
建物は、書院造りと数寄屋造り、さらに大正から昭和初期の流行といわれるアールデコ様式の洋室を組み合わせた、2階建ての立派な建物。
戦前の商家建築の姿や、粋な風情、直接触れたくなるような美しい仕上げを随所に見ることが出来ます。

鹿児島県教育会館
戦災を乗り越え、未来へ語り継ぐ建物

御大典記念事業として1931年に竣工した。設計者は、鹿児島県の建築技師の三上昇、県が東京から設計担当として呼び寄せた畑村源次郎、施工者は大阪の施工者である森本組の森本千吉である。
現在は、鹿児島県教育會館維持財団によって管理され、鹿児島県教職員組合・鹿児島県高等学校教職員組合・鹿児島県学校生協・鹿児島県教育用品株式会社・ 教職員共済生活協同組合鹿児島事業所・鹿児島県境職員共助会に貸与すると共に、大小会議室・ホールなどを備え、様々な会議や集会に活用されている。
旧鹿児島県立図書館、鹿児島市中央公民館、山形屋百貨店と共に「鹿児島市内4 大ビル」と呼ばれていたなど、教育界の誇りであったと言われている。正面は張り出しなどなく平面的、窓ピッチは縦横とも均一、階段室である両翼の窓は段違いになっている。モダニズムとは一線を画す、セセッション派の影響を受けた板を重ねたようなシンプルな装飾。

